
偏印と複数の印綬
国際的な文化に興味を持ちやすいのは、偏印の持つ大きな外交的な好奇心や、自分の中にある課題やテーマを解消すべく、幅広い価値観を求めるところにあります。
特に、この偏印が日柱や月柱にある場合、私生活が一般的でない事が多いです。会社員ではなくフリーランスであるとか、海外に何度も旅行していたり、海外留学経験がある人、同じ国にずっと滞在しているとか、住み込みでの仕事であちこちを転々としている。
また、配偶者が一般的ではなかったり、どのみち住環境や日常生活が世間一般とは大きく異なる場合があります。また、印綬が複数ある場合も、偏印の気質が示され、外国に興味を持ちやすく、印綬が亡殺されている場合も同じ傾向を持ちます。
甲戌と乙亥
この干支が、四柱のどこかにある場合は、興味や私生活、家系的なところで海外と縁できるか、憧れを持っている事が多い。日干支にある場合は、日座空亡となり、特殊な運気を持ちます。海外に興味を持ちやすい事や、特に異性に関して、本人が国内の異性とは折り合いがつきにくい事、普通の交際では上手くいかない事を直感的にわかっている事からも、外国へ目を向ける事があります。
個人的には日座空亡か、申酉空亡の人は、海外に興味があるか、縁を持ちやすいと感じています。なぜかというと、日座が亡殺されているということは、一般的な異性であれば、該当性がないということであり、その亡殺の枠からはみ出ている人でないと、縁が出にくいとも言えます。鑑定でも、外国人と交際している方は、この二者の方に多く見られます。
配偶者は人生の中で最も濃い人間関係ですので、そこに重点をおけば異質な人と縁ができやすい。それは、かなり年上か年下と恋愛をしたり、外国人との縁ができやすかったり、もしくは好んだりします。何にせよ、特殊な傾向がある。
特に乙亥の場合、駅馬と共にある場合は、異国での生活を示す事があります。また日干が壬だったり、命式の中で、壬の性質が強い場合は、その可能性が高くなると個人的にも思います。壬は最も柔軟で、流動性を表し、海外との繋がりも出来やすく、また上手くハマる事ができる日干です。
壬を日干に持つ人を見ても、海外へ移住している人は比較的多いです。他にも仕事や長期出張で海生活を送っている人は、壬の他に、異常干支の性質が強い人が多いです。同時に大運、命式に月柱と年柱に冲があり、駅馬や隔角があって、壬が強い場合なども同様。
ドラゴンテイル、射手座と水瓶座、傷ついた4ハウス
西洋占星術で見ると、海外移住をしている人は、射手座や水瓶座のステリウムや、オーバーロード、外国を示す9ハウスが強め、アセンダントが射手座など、射手座や水瓶座が印象的なホロスコープの持ち主が多いです。
同時に、その守護星である天王星や木星が強い人も、海外に導かれるパターンが多いです。木星は射手座の守護星で、天王星は水瓶座の守護星です。木星や金星が射手座にあったり、天王星がアセンダントやMCなどのアングルにある場合、その人は外国の何かを好み、縁が生じる事もあります。
また、太陽とドラゴンヘッド、ドラゴンテイルが強いアスペクトをとっている場合も遠い場所に住む可能性があります。射手座や水瓶座の他に、ドラゴンヘッドやテイル(インド占星術ではラーフとケートゥ)も外国を示します。
色々なホロスコープを見ていて思うのは、どっちかというと、ドラゴンヘッドよりもドラゴンテイルと、パーソナルプラネットがコンジャクションしていたり、ハードアスペクトを形成している人は、海外に住んでいる人が多い印象です。そして、ほとんどが太陽とドラゴンテイルのコンジャクション、もしくはハードアスペクトです。
また、地元や過去、祖国や出生地を示す4ハウスに、傷を表す小天体の「キロン」があったり、土星などがある場合も、母国で抑圧された過去や、祖国での傷ついた経験が、海外移住を引き寄せる要因になる事があります。4ハウスの木星の逆行もよく言われます。
また、柔軟宮が印象的な場合は、様々な場所に縁ができるかもしれません。木星の品位にもよりますが、水星が重なれば、移動や旅行が多くなる時期です。また、ドラゴンヘッドやドラゴンテイルが5ハウスや7ハウス11ハウスにある場合も外国人との交流が多くなる傾向があります。
ドラゴンヘッドやドラゴンテイルは、海外や外国を示しますが、ホロスコープを見た時に、他の配置が水瓶座や射手座が強く、楽しみを表す5ハウスに、このドラゴンヘッドやドラゴンテイルが強調されている場合は、特に外国人との交流や異文化を楽しむ人が多いかもしれません。
7ハウスはパートナーのハウスであり、11ハウスは水瓶座の定位置で、コミュニティを表すハウスです。魂は人間関係による成長が必須であり、主に対人関係を示すハウスでこれらの配置がある場合、その縁が多くなるイメージです。象意はハウスの意味に準じます。