四柱推命の生剋「傷官」の特性について個人的な考えを書いてみます。
傷官は、良い方向に出ると、豊かな発想力と創造性を持ち、表現力にも優れます。日主から溢れ出る気を、傷官のフィルタを通して、独自の表現に変える力を持ちます。感受性が豊かでもありますが、それ故に神経質な面も持ち合わせます。
自由奔放でもあり、押さえつけられる事を嫌います。陰陽どちらの性質も持つ傷官は、感情的にもなり得ますが、論理的に考える事も得意です。傷官を持つ著名人も多く、何かと癖があります。傷官は完璧主義で自尊心が高く、自分が辱めを受ける事ことを嫌います。
どの日干から生じるのかによって傷官の性質に違いが出たり、命式の内容によっても大きく変わりますが、基本的に頭の回転が早く、動作も俊敏で、時に第六感に近い感覚を持つ場合もあります。
普通に見えても、どこかに強い拘りがあります。身強の場合は、その気を余すことなく洩らすことができるため、傷官の良い面が出やすくなります。傷官は日主から洩れる力を形にする特徴があるため、流れ出る気が多い場合は、表現欲求も強くなります。
例えば、話し手として、自分の考えを伝える事、美術品や文芸品の創作や、俳優や詩人として舞台に出る事など、あらゆる表現方法と傷官は関係しています。しかし、日主が弱かったり、逆に傷官が多すぎると、却って気疲れしやすくなります。
傷官はとても繊細ですので、傷ついた心は、割れたガラス細工のようです。そのまま触れると傷を負いかねません。何か対策をしなければなりませんが、それはとても難しいものになります。怪我に関しても、アザよりも切り傷が出来やすい傾向があります。
傷官は気を張りやすい上、他人の話し声や、衝撃音でも、体に痛みが走ることがあります。また、傷官の強さを抑えられなければ、愚痴や悪口が出過ぎ事があります。行運で傷官が巡る時、傷官の気は極限まで高まるので、いつもよりピリっとした雰囲気になるかもしれません。
また、傷官のほとんどは、最初からフレンドリーに接することはありません。柔和に見えても心のどこかで気を張っています。最初は冷たいことが多いです。また、傷官を持つ赤児や子供は、とても繊細なため、心を許している相手ではないと泣きじゃくってしまう事があります。
不正があれば自ら名乗り出る正義感と強さを持ちます。聡明ですが、精神が複雑であるゆえに、考えや行動が人から理解されることは少ないはずです。ただ、偏財や印綬があれば、温和な性質が加わり、時に別の雰囲気を持ちます。