朝ドラで好きなドラマは、三つ有る。そのうちのひとつは「ゲゲゲの女房」。NHKの朝の連続テレビ小説”ゲゲゲの女房”が放送されていたのは、たしか私がまだ19歳ぐらいの頃だった。
戦後の昭和、漫画家を生業として生きる男と、それを支える妻がメインの物語だ。良い意味でも悪い意味でも、人間くささ溢れる登場人物たちに魅了された。美しい昭和の街並みと、その空気感に癒され、「生きる」という活力を見出す方法を教えてくれるような作品だと思っている。
舞台や役者もそうだけど、音楽もとても良い。
朝ドラは面白い作品が多いけど、この作品は本当に良く仕上がっていると思う。まぁ、私の命式は、レトロな様に惹かれるというのもあるのだけども。
放送を毎日楽しみにしていた私は、NHKのスタジオパークにて、水木夫妻(原作を書いたのは奥さん)へのお便りを募集していたので、すぐに番組宛に送ったのだ。一週間後くらいだったか、水木夫妻が出演する回の放映日、私が送ったお便りが二人の前で読まれたのだ。
当時の司会者は、住吉美紀アナだったように思う。(今はフリーアナウンサー)お便りの内容は非常にありふれた内容で、”幼少期からのファンである”という内容であった事を覚えている。
スタジオパークはゲストを招いての、ライブ進行型の番組なのだが、水木夫妻は自宅で収録に臨んでいたので、その回は録画放送だったのだ。だけど、この人たちと間接的にでも会話ができたような感覚で、とても不思議な感じだった。
今でこそ、YoutubeとかFacebookとかあるけども、当時の日本ではまだそこまでSNSは台頭していなかったように思うし、確立された電子プラットフォームもなかった。ブログこそあったが、著名人がブログをやっていても、メッセージのやり取りというのは簡単ではなかったように思う。いまでは結構単純なのだが、当時とても嬉しかったことを覚えている。
そこから10年以上の時を経て、私は占星術に触れるようになった。そこで水木先生の宿命図をみてみると、日干支は”乙亥”で日座天中殺。
芸術の世界にぴったりの人だ。精神世界に才能を見出す日座冲殺は、水木先生が今までの作品を生み出し続けた大きな原動力と豊かなセンスに関係しているように思う。
そんな水木先生と私は、律音の相性であるようだ。ドラマに出ている役者は、夫婦本人ではないのは当然なのだが、夫妻の人生をなぞるように、実話を基にしているからこそ律音として響くのだと思う。
そういえば、去年大阪に旅行した際に泊まったゲストハウスの近くに、水木先生の出生地だと刻印されているモニュメントを見たのだが、ここは住吉区なのだそうだ。住吉出身の水木先生へのお便りを、住吉アナウンサーが読む。何か惜しいなぁ、もうひとつで何か揃うような気もするのに。
