パーソナルプラネット編
西洋占星術は、空に並ぶ天体の位置から、対象の吉凶を占います。この時に使われるホロスコープは、主に太陽系を使って作成します。
太陽系は、太陽、月や水星、地球、木星や土星などが並んでおり、普段使われているホロスコープは地球を中心に作成したものが使用されています。
この、地球の周りを天体が回っている考え方を天動説と言います。他には、太陽を中心に作成されるものもありますが、普段使用されているのは、地球を中心に見たホロスコープが多いため、これについて簡単に解説します。
また、占星術で使われる太陽系は大まかに三つのグループに分けられており、この記事で解説するパーソナルプラネットと、後述するソーシャルプラネットと、アウタープラネットがあります。
パーソナルプラネットは五つの天体で構成
まず、太陽系で重要なパーソナルプラネットと呼ばれる天体が、太陽と月、水星や金星、火星になります。これらは地球に最も近いグループとして位置しており、それだけ個人への影響力が大きくなります。
ただ、この中でも月は、正確には惑星ではなく衛星となり、公転周期が最も早い天体です。これらのパーソナルプラネットは、全体的に良い意味を表します。
ソーシャルプラネットとアウタープラネット
先ほどの5天体のパーソナルプラネット以降には、木星と土星からなるソーシャルプラネットと、天王星や海王星からなるアウタープラネットがあります。
別の記事で解説しますが、ソーシャルプラネットは仕事に関する事や、社会に影響力を与える天体です。アウタープラネットは、凶星の意味を表すことがありますが、現代の西洋占星術(特に自由意志を尊重する)では、総合的な解釈を持って判断することが多いです。
これら三つのグループの星は、合わせて10天体となります。西洋占星術では、これらの天体がメインで扱われます。
太陽
太陽系で最も大きな天体(恒星)であり、ホロスコープをおよそ一年間で一周します。
太陽は西洋占星術の中でも強い影響を示し、個人がどのようなアイデンティティを持つか、また人生を歩む上で何を達成したいか、魂が果たすべき使命などを表す重要な意味を持っています。モダン占星術では、この太陽が12星座のうちどれに位置しているか、またどのハウスにあるかによって、その人の性格や価値観の大枠を形作るとも言われます。
月
月は、ホロスコープを27日間で一周します。太陽系では最も公転周期の早い天体です。月は心模様、精神状態、心の拠り所を示し、人間関係では妻や母を示しています。
この月の状態を見ることで、女性に関してのこと、母や妻、恋人との接し方や好み、自身の趣向や、安心できる場所を見ることができます。例えば月が射手座にある場合、外国に関する事柄に興味やリラックスを覚えやすいです。また、書物や哲学に興味を示すことがあります。
水星
水星は、月に次いで公転周期の早い天体で、約3ヶ月で地球を一周します。
水星は言語やコミュニケーション能力、旅行や情報通信、交通機関や乗り物を示し、水星は他者との交流において、その人のコミュニケーションの取り方を示すことがあります。この水星が、他の天体と関係を持つ時、水星の意味にその天体の事象が加えられます。
例えば、水星が火星とアスペクトをとっている場合、その人は快活な話し方で、時にテンポの早い話し方をする事があります。水星が特徴的なホロスコープは、コミュニケーションが得意であったり、知性豊かな人が多い傾向です。
金星
金星の公転周期は、およそ225日です。金星は主に楽しみを表し、趣味や美容、食事や快楽、五感を満たすような事を表します。金星が位置するハウスや星座によって、その人の趣向や愛の理想が見えて来ます。また、金星は金運を示すこともあるため、金星が良い状態だったり、他の天体とのアスペクトが良好な場合は、金運や恋愛運に恵まれやすいです。
火星
火星の公転周期は、687日です。火星は情熱や強いエネルギーを表します。火星は太陽と並び、行動を起こすための動機となり、その人の体力やパワーも示します。しかし、同時に闘争心や暴力、争いや戦争なども暗示します。例えば、その人のホロスコープで、太陽と火星がよい影響を与え合っている場合、丈夫で強い体、肉体的な強さを示します。
小惑星
また、太陽系には小惑星も存在しています。後述する木星と火星との間の小惑星帯には、セレスやパラス、ジュノーが位置しています、これらの小天体は四大小惑星と呼ばれ、強い影響力を持ちます。4つ目のキロンは、後述するソーシャルプラネットの土星とアウタープラネットの天王星の軌道にあります。