天体の運行とハウスシステム

ホロスコープは地球を中心とした図ですが、地球は自転と公転を繰り返しています。公転とは、太陽の周りを回ることで、一年で一周します。自転は地球自体が回ることで、一日で一周します。

地球は、回転していますが、地球自体は約23,4度、斜めに傾いています。西洋占星術では天動説、つまり太陽が地球の周りを回っているとしていますが、地動説で言うと、この地球は、傾いたまま太陽の周りを回っていることになります。

地球の公転により、太陽の周りを回る際、この傾きによって、四季が決まります。地球の傾き自体は変わらずに太陽の周りを公転しますから、例えばこの傾きが太陽により近くなる時に、太陽の熱が届きやすくなり、結果として太陽から近いエリアの温度が高くなり、その場所が季節的には夏となります。

冬は逆です。冬は地球の傾きが、太陽からより遠い位置になります。また、赤道は、地球の中心にあたるところですが、この赤道付近は太陽の熱が1年を通して当たる場所であり、常に暑い状態にあるわけです。ですので、逆に赤道に近ければ近い方ど暑く、遠ければ遠いほど寒さを感じることになります。

北極と南極の温度が低いのは、太陽の熱が届かないために、そう感じるという訳です。例えば、夏と冬では、明るさが違うのも、地球の傾きによって、太陽の位置が低かったり、太陽の位置が高かったりするため、陽が沈むのが早く感じるのも、この原理です。ですので、北半球が熱い時、南半球は寒い。日本では、2月は寒いですが、南半球では熱い時期になります。

北半球では逆時計回りに地球はまわっており、南半球では時計回りにまわっています。北半球からみると、地球は反時計回りに回る。南半球は、時計回りに回る。この時、どちらも東から太陽が昇ります。北半球から見ると太陽は、東から上り、西に下りますが、これが反時計周りなので、そのように見えています。

そして、この地球を中心に作成されるホロスコープには、星座の運行表である、エフェリメスというものを使い、太陽時と恒星時、赤経を使用します。エフェリメス(太陽が正午に位置する時の表)から算出した太陽の正確な位置から、室項表(ハウスを決める時の表)を使用しながらハウス割り出し、ハウスのカスプ(ハウスの区切り)を作成します。

さらに、ホロスコープを作成する時に、実は色々なハウス方式があります。例えば、そのうちの一つであるプラシーダスというハウス方式があります。これは、時間分割方式と呼ばれる製図方法で、現代の占星術家の多くが、このハウス方式を使用しています。

しかし、このプラシーダス方式は、地球の赤道から離れるほど、ハウスの大きさが不均等になるという不具合が出てきます。場所により日照時間が短くなったり長くなったりするためです。つまり北極圏に近い高緯度の場所では、ハウスの大きさにバラつきが出やすく、インターセプト等の現象が出てきます。

インターセプトとは、カスプを持たない星座が出てくるというものです。ホロスコープの円盤は、12個のハウスに分割されて区切られており、一つの星座につき、一つのハウスが割り当てられていることが多いです。しかし、いくつかの星座を飛ばして、ハウスが区切られてしまう事をインターセプトと言います。

このインターセプトとなった星座は、古典占星術ではともかく、モダン占星術でいうと、星座やハウスの効果を発揮しにくとされて言います。また、カスプ(ハウスの区切り)を与えられない星座に、そのほかのハウスの守護星が位置した場合などは、ハウスの意味の解読が難しくなってしまう場合があります。

古典占星術ではインターセプトの影響を考慮していません。つまりインターセプトとは埋没ではありますが、それがあるからといって、影響が弱くなるとか、効果が出るまでに時間がかかると言った内容を記していないようです。また、古典占星術で使われる最古のハウスシステムと呼ばれるホールサインハウスでは、インターセプト起こらないハウス方式になっています。

例えばプラシーダス方式で製図したホロスコープに、インターセプトがいくつか出た時、モダン占星術でインターセプトの意味をつけて、解釈することになります。7ハウスにある天体が、インターセプトによって埋没されていたが、実は8ハウスや9ハウスであった場合、ハウスの意味で考えると、全く違うものになってしまう可能性もあります。

また、インターセプトが多いホロスコープは、カスプを持たない星座が出てくるということになります。そうなると、例えば獅子座の支配星である太陽が位置する場所で、仕事運や人間関係を見る場合は、ハウスで見ると違う解釈になることがあります。ホールサインハウスなどで、星座一つに対し、ハウスを一つ与える方式にするのとでは違いが出るということになります。

また、別のハウスシステムによっては、このインターセプトが起こりにくくなります。しかし結局は、様々な占星術家が言っているように、どのハウスシステムも有効的な部分があり、それぞれのハウスシステムで見た時の共通点を紡ぎながら、総合的な解読していくことが最も良いようです。

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