30歳の転職と土星の回帰

ホロスコープで土星は凶星とされ、最も厳格であり、冷酷な天体であるともされていますが、一方で威厳や成功を意味し、その維持を司るメンターとも言えます。

儒教の始祖である孔子の論語に「三十にして立つ」という言葉もありますが、人は30歳になる年に、ひとつの節目を経験します。

それがこの土星が回帰する時期です。土星は約29年半でホロスコープを一周します。この土星が一周し、元のハウスや星座の位置に戻ることを、そのままサターンリターンとも言います。

西洋占星術では、この土星回帰が人生の重要な節目であるとされています。四柱推命でも、三十歳の年になると”納音”という運気が年干支に巡る年となり、公私共に、様々な事に変化が起きやすい年になります。

年干支には、仕事、恋愛、親との環境を意味するため、これらに関することに変化が起きやすいです。30歳の年になり、土星回帰の影響を受けると、いろいろな試験にさらされます。土星は厳しい事を突きつけますが、のちにそれは本人とって幸福になるための軌道修正のために起こっています。

土星が回帰するハウスや星座の意味に基づいた試練や、人生を調整するための課題が出されます。例えば、この時期というのは、仕事でうまくいかない事が続いたり、緊張感や不安により、憂鬱な時間を過ごしたりしやすくなります。

仕事の年収、貯金の心配、親しい家族や結婚相手と波長が合わなくなったり、これまで通常通りのことをこなせなくなるような現象に見舞われるようになります。

特に、この時期は仕事や今後のキャリアについて深く考える事が増え、出会いや別れを経験しやすいとも言えます。

この時期はある種の膿だしの時期です。それを全て出し切り、少しずつ体制を整えていくのです。最終的には、全て良い方向に導かれていきます。

日本だけではなく、海外の情報を見てみても、良くも悪くも土星回帰の期間は様々な事が起こっている事が分かります。しかし、この時期は誰にでも訪れ、一皮剥くために必要な時期だと言えます。

土星回帰の年、ピッタリと土星同士がコンジャクションしていた時期、私自身も占星術に出会ったり、仕事や恋愛や健康に関しても多くの事を経験し、過去の自分から脱皮をした時期でした。

土星回帰は、出生図に経過図の土星が重なる時期です。そして土星の度数とぴったり合う時が、土星の強い影響が出ます。

例えば、自分のホロスコープの土星が水瓶座にある場合は、戻ってきている土星が、水瓶座に入る頃から見え始め、出生図と同じ場所に近づくほど、影響が強まると言えます。ただ、年齢を重ねて土星が成熟して行くと、土星に関する試練は軽くなるとされています。

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傷官は繊細

四柱推命の生剋「傷官」の特性について個人的な考えを書いてみます。

傷官は、良い方向に出ると、豊かな発想力と創造性を持ち、表現力に優れます。日主から溢れ出る気を、傷官のフィルタを通して、独自の表現に変える力を持ちます。感受性が豊かでもありますが、それ故に神経質な面も持ち合わせます。

自由奔放でもあり、押さえつけられる事を嫌います。陰陽どちらの性質も持つ傷官は、感情的にもなり得ますが、論理的に考える事も得意です。傷官を持つ著名人も多く、何かと癖があります。傷官は完璧主義で自尊心が高く、自分が辱めを受ける事ことを嫌います。

どの日干から生じるのかによって傷官の性質に違いが出たり、命式の内容によっても大きく変わりますが、基本的に頭の回転が早く、動作も俊敏で、時に第六感に近い感覚を持つ場合もあります。

普通に見えても、どこかに強い拘りがあります。身強の場合は、その気を余すことなく洩らすことができるため、傷官の良い面が出やすくなります。傷官は日主から洩れる力を形にする特徴があるため、流れ出る気が多い場合は、表現欲求も強くなります。

例えば、話し手として、自分の考えを伝える事、美術品や文芸品の創作や、俳優や詩人として舞台に出る事など、あらゆる表現方法と傷官は関係しています。しかし、日主が弱かったり、逆に傷官が多すぎると、却って気疲れしやすくなります。

傷官はとても繊細ですので、傷ついた心は、割れたガラス細工のようです。そのまま触れると傷を負いかねません。何か対策をしなければなりませんが、それはとても難しいものになります。怪我に関しても、アザよりも切り傷が出来やすい傾向があります。

傷官は気を張りやすい上、他人の話し声や、衝撃音でも、体に痛みが走ることがあります。また、傷官の強さを抑えられなければ、愚痴や悪口が出過ぎ事があります。行運で傷官が巡る時、傷官の気は極限まで高まります。

柔和に見えても心のどこかで気を張っています。最初は冷たいことが多いです。また、傷官を持つ赤児や子供は、とても繊細なため、心を許している相手ではないと泣きじゃくってしまう事があります。

不正があれば自ら名乗り出る正義感と強さを持ちます。聡明ですが、精神が複雑であるゆえに、考えや行動が人から理解されることは少ないはずです。ただ、偏財や印綬があれば、温和な性質が加わります。

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相性で見る恋愛の主導権を握る側

恋愛で主導権を握っているのはどちら?というご相談を受けることがあります。この診断に関して、あくまでも傾向ではありますが、いくつか考えられる相性をみてみます。ただ、ここでは、エッセンシャルとアクシデンタル、それぞれのディグニティは検討に入れず天体だけの影響だけで見ています。

また、時と場合にも因りますが、ホロスコープで見る場合、距離が遠い天体から影響を受け易かったり、ホロスコープ上で頂点に近い天体が影響力を持つ場合もあります。

例えば、月と木星のアスペクトを持つ相性の場合、木星は月を擁護し可愛がります。木星はとても寛大な吉星です。木星は月を保護し、包み込みます。木星は強く出ると、怠慢を表す事があり、相手を甘やかし過ぎてしまいます。同情にも陥りやすく、結果として見過ごしてしまいます。両者が月と金星のアスペクトも形成している場合は、それに拍車がかかります。

また、ドラゴンテイルの強い相性が成立する人達は、ドラゴンテイルの人に抗いにくい印象を抱きます。過去世があるとして見ると、この相性は、夫婦縁や恋人縁でよく見られます。月は心の拠り所を示すために、ドラゴンテイルと合であれば、腐れ縁だったり、喧嘩が多いのに、一緒にいることを望んだりします。金星は恋愛の天体ですので、恋愛について執着が生まれやすいです。

相性を見た時に、土星のアスペクトが強い側にもその傾向があります。ドラゴンヘッドやテイルが山羊座の人は支配欲が強いため、心内では主導権を取りたくなります。同じく相性で、冥王星側になる人は、それについて主導権を握りやすいでしょう。

また、天王星との相性が成立する場合も同様に、厄介かもしれません。年代によって天王星というのは、同じ星座に位置します。動きが遅い天体のひとつで、相手が同世代の場合は、トランスサタニアンは似たような配置になります。つまり天王星も海王星も冥王星も似たような場所に現れます。

例えば、恋愛の天体である金星や火星、特に金星がこの天体群と強いアスペクトをとれば、金星の持ち主を恋愛の対象としてみやすいです。特に金星と天王星の場合は顕著です。天王星は突発力があるので、一瞬で恋に落ちます。この間は、盲目ですので、金星はしばらくの間は優位になれるでしょう。相手はどんな事も許容しがちになるでしょう。

これは、あなたの金星がある星座に、上記の天体群がある年代の人に一目惚れされやすいということです。しかし、天王星は向きを突然変えます。なので、長期的な関係を望む場合や、例えばお見合いの場では、上記の天体はない方がいいかもしれません。しかし、それ以外の相性の方が重要ですし、あくまでもひとつの傾向という事になります。

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