牡羊座のキロンと乙女座の太陽(陳慧琳)

占星術で、女優の陳慧琳(ケリー・チャン)を見てみます。

映画「冷静と情熱のあいだ」に出演した香港の女優さんです。まず、乙女座で太陽と水星と火星が重なっています。水星は乙女座の守護星であり、同時に高揚する場所です。度数は14度。ここにある水星は強く、影響力も高まります。

乙女座に水星があるというのは、今まで全て手書きだった事務作業が、パソコンを手に入れた事によって、作業効率が大幅に伸びるのと似ています。つまり、水星が良い状態の彼女は、合理的で頭の回転が速い人です。乙女座に太陽と火星があるため、この水星は、太陽と火星に協力し、水星の強い影響を与えます。彼女のホロスコープでとても重要な天体のひとつは、水星です。

また、もう一つ重要な天体について、彼女がとても金星力が強い人だという事です。彼女の出生図にある金星は、獅子座にあります。舞台や女優業は彼女の才能を引き出す。また、彼女のファイルディスポジターのほとんどは金星です。つまり、彼女の使命や本質を示すのに、金星が大きな鍵となります。

金星は美の星であり、芸性と愛を司る天体です。愛嬌や才能があり、とても人に好かれる人柄を持っています。ただ、人に好かれるために、少々無理をしてしまう性質もあります。つまり徳が高い人でありますが、それだけ、彼女は金星が強いです。

おまけに牡羊座にキロンがあるため、自分がしたい事を我慢する傾向が見えます。先ほどの、乙女座にある太陽は、ペレグリーンとなり、乙女座の奉仕と太陽の自己実現が葛藤を起こしやすいとも言えます。

自分の行動が何かによって抑制された過去があり、そこにストレスを感じているタイプかもしれません。加えて、火星と土星のスクエアがあり、我慢や忍耐が過剰になった経験も持っているでしょう。彼女にとって土星が厄介です。この天体から、我慢を強いられる場面が多いように思えます。土星は、父親や目上の立場の人を示すため、もし、土星がアングルにあれば、彼らの指導は厳しかったと思います。

また、富や名声を表すリゲルやカペラが土星と重なっており、裕福な父を示す。しかし、土星が夜にあれば、制限が強く、厳しい父親であった可能性があります。彼女は、海王星のアスペクトが少ないので、作品を創作するよりも、自身が魅力となって輝くか、仕事は美容品やデザイン関係も良いタイプでしょう。

月は蠍座なので、静かな環境を好み、繊細なところがあります。しかし、月は蠍座のルーラーである火星にレシーブされている状態であり、また、大きく月が動かなければ、この火星とセクスタイルです。リセプションの助けを借りた状態になります。少々細かい部分もありますが、精神的に活発な部分もあると言えます。

戻りますが、太陽は乙女座にあり、火星とも重なっています。彼女は、中性的な非常に美しい容姿です。火星の影響がどこかに出ている女性は、どこか性格なり外見なり、少し中性的になるような気がします。それは、眉毛や輪郭に特徴が出やすいような気もします。

そういえば、映画で共演された竹野内豊さんも、金星がとても強い人でした。この方は、金星が火星と木星で合があり、年齢を重ねてもずっと金星の力は衰えない人です。

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高揚する魚座の金星(藤原基央)

占星術で、藤原基央さんを見てみます。

低音で、透き通るような歌声は、魚座にある水星と金星が表しています。水星と金星が重なっていたり、良い角度にある人は、歌が好きだったり得意な人が多いです。また、ホールサインアスペクトではコンジャクションになるので、芸術的な才能を持つ人でしょう。また、金星は魚座で高揚しますので、この金星はホロスコープで強い影響力を持っています。

魚座は芸術性を示す星座です。ここに金星があれば、まさに水を得た魚のように、豊かな創造性が発揮されます。本来、魚座で水星は減衰しますが、強い金星によって保護されます。また水星と木星がトラインになり、リセプションがあります。また、木星は魚座の守護星であり、この木星は蟹座で高揚して、タームも獲得しています。

蟹座はコミュニティを示し、そこに高揚する木星があるということは、仲間内や地元コミュニティから恩恵を受けやすい。彼の曲は、恋愛系の歌もありますが、童謡が好きだったり、子供の頃の良い記憶が作品に繋がる所は、蟹座の守護星である木星が良い影響力を持っているからだと思います。

個人的に、一般的なバンドと違うなと思うのが、仲間というテーマにした曲が多いのもこれに関係しているでしょう。ゴミ捨て場にドラムが捨てられていなかったら、このバンドはなかったかもしれません。大昔ですが、メンバーのご家族が経営されていた「おおいわ」という居酒屋に行ったことがあります。スタジオセットや、たくさんの写真が飾られていました。これも蟹座の木星かもしれません。金星のディスポジターは蟹座の木星になり、蟹座の守護星の月は、天秤座にあります。

そして、天秤座の守護星である金星は魚座にあります。木星と金星と月は、この人の価値観や動機に強く作用します。牡羊座の太陽は、対面にある天秤座の月と180度の関係になりますので、太陽にとって、葛藤が強いのだと思います。牡羊座の太陽は同じハウスにある火星の影響を受けます、火星は居心地が良く、太陽に力を与えます。「行動力、前進力、独立心」が、この人のキーワードになります。この人の生み出す曲は、リスナーを奮い立たせる力を持っています。

一方で、目上と離反しやすい面や、反抗的な面も表しています。そして、180度にある月は、女性や妻を表しますので、意外にも内縁関係や女性で悩むことがあるかもしれません。また、第6ハウスのナチュラルサインである乙女座には土星がありますので、神経系、胃腸、肺が弱い傾向があり、健康管理に対して悩みがちですが、慎重にもなるため、それが一病息災にもなるタイプでもあります。

この魚座の金星はドラゴンヘッドと海王星でTスクエアを形成していますので、儚さや、幻想的な美について強い関心を持っています。これは、180度のオポジションと90度のスクエアが絡み合う複合アスペクトです。藤原基央さんは、金星が高揚しているため、奥さんに献身的であり、強い葛藤にありながらも、心身を懸けて、愛情を捧げるでしょう。

また、水星は、移動や伝達手段の他、物体で捉えると、小動物や年下の人(子ども)を示しますが、水星と金星が重なる人は、動物やペットを好みます。実際、彼は昆虫や犬猫に身近であるようです。

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アストロマップの体験とリロケーションの体験

アストロマップとは、自分がどの国や場所にいるかによって、天体から、どんな影響を受けるか、というのを表した地図になります。また、その人が生まれた瞬間、その時の出生図に描かれた天体は、どの地域に影響しているのかというのを表しています。

世界の各地域によって天体の効果は異なるため、自分への影響をアストロマップから知る事ができます。例えば、木星が強い影響を持つ地域ならば、木星が対象者に強く影響します。つまり、天体が意味する影響を受けるということです。

アストロマップを見るには、対象者の生年月日に加えて、出生時刻が必要となります。私は過去、台湾やベトナムに、二ヶ月ほど滞在していた事がありますが、この時を思い出すと、多少の効果はあったと感じています。

私のアストロマップを見てみると、台湾は良い影響のある国のようで、星が示す通りの事があり、実際に良い思い出がある国でもあります。ただ、一方で書いてある事とは微妙で、分かりにくいことも多かったりしました。これは、出生図と掛け合わせながらみるので、複雑になります。

また、台湾との相性を見てみると、悪くはありません。台湾の建国日は幾つかありますが、どれを入れてみても、相性は良いです。それは四柱推命でも同様です。そして、どういうところが良いのか、というのも部分について納得できるところもあります。アストロマップだけではなく、国との相性を見る事も、アストロマップの影響を俯瞰できる重要な要素になります。

ただ、この時期は、出生図の水星とプログレスの金星が重なっていた時期でもあり、この時のソーラーリターン図では、アセンダント天秤座の支配星は7ハウスでしたので、交流が深まる時期とも言えますし、それが水星とコンジャクションしていれば、移動や旅行に良い影響が出ます。水星は、知性、コミュニケーション、移動手段、旅行などを示します。また、試験などにも影響します。

ベトナムは、水星とMCのラインがある場所ですが、私はベトナム滞在時に、某社の占い師に合格となりました。先ほどのプログレスも同じくこの時期でした。なので、影響が出ているとすれば、プログレスを含めたディレクションの影響なのか、アストロマップの影響なのか、どちらを優先するか、といった感じです。

結果としては、未来予測や進行図が示す意味を、強める場所に導かれる場合があるという事なのかもしれません。そしてその天体がその人のホロスコープ上ではどのハウスや星座にあるかという事も判断材料になり得ます。

その時期に、どういう気持ちになったり、どういう事が起きるのか、というのが書いてあるわけです。例えば、自由意志がないとすれば、その宿命の予測通りの事が起きるわけであり、そうなれば、アストロマップに記されている運気の良い場所に行こうという思考も、既に運気の流れを汲んでいるのかもしれません。

つまり、プログレスの未来予測が、その予測する意味を体験させるために、その場所に導いているとも考えられます。なぜなら、その場所に行くか、行かないかは、すでに決まっているからかもしれません。なので、その時期の運勢が、外国に縁ができる時期だとか、アストロマップに書かれている影響の意味を、元々その時期に受ける時期だった。

そう考えると、アストロマップを見て、じゃあ、この時期にこの土地に行こうと考えて、その時期に実際その場所へ行き、恩恵を受けるというのは、元々そのような力が働いているからなのかもしれません。その場所は確かに良い影響があるかもしれないが、その良い影響を受ける場所に、その時期は星の力によってそこに導かれるという事でもあるのではないでしょうか。

ここまで書いてきましたが、アストロマップは特性上、その場所に留まる程、天体の影響を受けるといった説明がある一方で、数ヶ月や数週間の効果しか出ないという主張をする人もいます。やはり、とても複雑なものです。

ですので、長期の旅行や、留学を考えている場合は特に、アストロマップの影響と、その国や場所との相性を考慮しながら、未来予測とも重ね合わせて鑑定するようにしています。

ちなみに、リロケーションチャートは賛否あるようですが、私の今の考えでいうと、リロケーションチャートは、あまり意味がないと考えています。リロケーションは、対象場所を自分の出生地に切り替えて、ホロスコープを作り直すという方法です。

また、現地での時差なども考慮するため、自分がその地で生まれた場合の出生図ができるという訳です。このリロケーションにより、ホロスコープのアングルやハウスが変わります。アングルは最も強い影響を持つ事から、ここが変われば、全く違う人生となる事が予想できます。

例えば、国内より海外の方が伸び伸びとできるなら、リロケーションではなく、もともとの宿命が海外向きだったり、または、特定の国と相性が良かったりします。ですので、リロケーションをしたから生まれ変わったというより、その国との相性が良かったり、進行図や太陽回帰、ホロスコープの特性、それらの影響が強いのだと個人的に思います。

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