アストロマップの体験とリロケーションの体験

アストロマップとは、自分がどの国や場所にいるかによって、天体から、どんな影響を受けるか、というのを表した地図になります。また、その人が生まれた瞬間、その時の出生図に描かれた天体は、どの地域に影響しているのかというのを表しています。

世界の各地域によって天体の効果は異なるため、自分への影響をアストロマップから知る事ができます。例えば、木星が強い影響を持つ地域ならば、木星が対象者に強く影響します。つまり、天体が意味する影響を受けるということです。

アストロマップを見るには、対象者の生年月日に加えて、出生時刻が必要となります。私は過去、台湾やベトナムに、二ヶ月ほど滞在していた事がありますが、この時を思い出すと、多少の効果はあったと感じています。

私のアストロマップを見てみると、台湾は良い影響のある国のようで、星が示す通りの事があり、実際に良い思い出がある国でもあります。ただ、一方で書いてある事とは微妙で、分かりにくいことも多かったりしました。これは、出生図と掛け合わせながらみるので、複雑になります。

また、台湾との相性を見てみると、悪くはありません。台湾の建国日は幾つかありますが、どれを入れてみても、相性は良いです。それは四柱推命でも同様です。そして、どういうところが良いのか、というのも部分について納得できるところもあります。アストロマップだけではなく、国との相性を見る事も、アストロマップの影響を俯瞰できる重要な要素になります。

ただ、この時期は、出生図の水星とプログレスの金星が重なっていた時期でもあり、この時のソーラーリターン図では、アセンダント天秤座の支配星は7ハウスでしたので、交流が深まる時期とも言えますし、それが水星とコンジャクションしていれば、移動や旅行に良い影響が出ます。水星は、知性、コミュニケーション、移動手段、旅行などを示します。また、試験などにも影響します。

ベトナムは、水星とMCのラインがある場所ですが、私はベトナム滞在時に、某社の占い師に合格となりました。先ほどのプログレスも同じくこの時期でした。なので、影響が出ているとすれば、プログレスを含めたディレクションの影響なのか、アストロマップの影響なのか、どちらを優先するか、といった感じです。

結果としては、未来予測や進行図が示す意味を、強める場所に導かれる場合があるという事なのかもしれません。そしてその天体がその人のホロスコープ上ではどのハウスや星座にあるかという事も判断材料になり得ます。

その時期に、どういう気持ちになったり、どういう事が起きるのか、というのが書いてあるわけです。例えば、自由意志がないとすれば、その宿命の予測通りの事が起きるわけであり、そうなれば、アストロマップに記されている運気の良い場所に行こうという思考も、既に運気の流れを汲んでいるのかもしれません。

つまり、プログレスの未来予測が、その予測する意味を体験させるために、その場所に導いているとも考えられます。なぜなら、その場所に行くか、行かないかは、すでに決まっているからかもしれません。なので、その時期の運勢が、外国に縁ができる時期だとか、アストロマップに書かれている影響の意味を、元々その時期に受ける時期だった。

そう考えると、アストロマップを見て、じゃあ、この時期にこの土地に行こうと考えて、その時期に実際その場所へ行き、恩恵を受けるというのは、元々そのような力が働いているからなのかもしれません。その場所は確かに良い影響があるかもしれないが、その良い影響を受ける場所に、その時期は星の力によってそこに導かれるという事でもあるのではないでしょうか。

ここまで書いてきましたが、アストロマップは特性上、その場所に留まる程、天体の影響を受けるといった説明がある一方で、数ヶ月や数週間の効果しか出ないという主張をする人もいます。やはり、とても複雑なものです。

ですので、長期の旅行や、留学を考えている場合は特に、アストロマップの影響と、その国や場所との相性を考慮しながら、未来予測とも重ね合わせて鑑定するようにしています。

ちなみに、リロケーションチャートは賛否あるようですが、私の今の考えでいうと、リロケーションチャートは、あまり意味がないと考えています。リロケーションは、対象場所を自分の出生地に切り替えて、ホロスコープを作り直すという方法です。

また、現地での時差なども考慮するため、自分がその地で生まれた場合の出生図ができるという訳です。このリロケーションにより、ホロスコープのアングルやハウスが変わります。アングルは最も強い影響を持つ事から、ここが変われば、全く違う人生となる事が予想できます。

例えば、国内より海外の方が伸び伸びとできるなら、リロケーションではなく、もともとの宿命が海外向きだったり、または、特定の国と相性が良かったりします。ですので、リロケーションをしたから生まれ変わったというより、その国との相性が良かったり、進行図や太陽回帰、ホロスコープの特性、それらの影響が強いのだと個人的に思います。

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天体の運行とハウスシステム

ホロスコープは地球を中心とした図ですが、地球は自転と公転を繰り返しています。公転とは、太陽の周りを回ることで、一年で一周します。自転は地球自体が回ることで、一日で一周します。

地球は、回転していますが、地球自体は約23,4度、斜めに傾いています。西洋占星術では天動説、つまり太陽が地球の周りを回っているとしていますが、地動説で言うと、この地球は、傾いたまま太陽の周りを回っていることになります。

地球の公転により、太陽の周りを回る際、この傾きによって、四季が決まります。地球の傾き自体は変わらずに太陽の周りを公転しますから、例えばこの傾きが太陽により近くなる時に、太陽の熱が届きやすくなり、結果として太陽から近いエリアの温度が高くなり、その場所が季節的には夏となります。

冬は逆です。冬は地球の傾きが、太陽からより遠い位置になります。また、赤道は、地球の中心にあたるところですが、この赤道付近は太陽の熱が1年を通して当たる場所であり、常に暑い状態にあるわけです。ですので、逆に赤道に近ければ近い方ど暑く、遠ければ遠いほど寒さを感じることになります。

北極と南極の温度が低いのは、太陽の熱が届かないために、そう感じるという訳です。例えば、夏と冬では、明るさが違うのも、地球の傾きによって、太陽の位置が低かったり、太陽の位置が高かったりするため、陽が沈むのが早く感じるのも、この原理です。ですので、北半球が熱い時、南半球は寒い。日本では、2月は寒いですが、南半球では熱い時期になります。

北半球では逆時計回りに地球はまわっており、南半球では時計回りにまわっています。北半球からみると、地球は反時計回りに回る。南半球は、時計回りに回る。この時、どちらも東から太陽が昇ります。北半球から見ると太陽は、東から上り、西に下りますが、これが反時計周りなので、そのように見えています。

そして、この地球を中心に作成されるホロスコープには、星座の運行表である、エフェリメスというものを使い、太陽時と恒星時、赤経を使用します。エフェリメス(太陽が正午に位置する時の表)から算出した太陽の正確な位置から、室項表(ハウスを決める時の表)を使用しながらハウス割り出し、ハウスのカスプ(ハウスの区切り)を作成します。

さらに、ホロスコープを作成する時に、実は色々なハウス方式があります。例えば、そのうちの一つであるプラシーダスというハウス方式があります。これは、時間分割方式と呼ばれる製図方法で、現代の占星術家の多くが、このハウス方式を使用しています。

しかし、このプラシーダス方式は、地球の赤道から離れるほど、ハウスの大きさが不均等になるという不具合が出てきます。場所により日照時間が短くなったり長くなったりするためです。つまり北極圏に近い高緯度の場所では、ハウスの大きさにバラつきが出やすく、インターセプト等の現象が出てきます。

インターセプトとは、カスプを持たない星座が出てくるというものです。ホロスコープの円盤は、12個のハウスに分割されて区切られており、一つの星座につき、一つのハウスが割り当てられていることが多いです。しかし、いくつかの星座を飛ばして、ハウスが区切られてしまう事をインターセプトと言います。

このインターセプトとなった星座は、古典占星術ではともかく、モダン占星術でいうと、星座やハウスの効果を発揮しにくとされて言います。また、カスプ(ハウスの区切り)を与えられない星座に、そのほかのハウスの守護星が位置した場合などは、ハウスの意味の解読が難しくなってしまう場合があります。

古典占星術ではインターセプトの影響を考慮していません。つまりインターセプトとは埋没ではありますが、それがあるからといって、影響が弱くなるとか、効果が出るまでに時間がかかると言った内容を記していないようです。また、古典占星術で使われる最古のハウスシステムと呼ばれるホールサインハウスでは、インターセプト起こらないハウス方式になっています。

例えばプラシーダス方式で製図したホロスコープに、インターセプトがいくつか出た時、モダン占星術でインターセプトの意味をつけて、解釈することになります。7ハウスにある天体が、インターセプトによって埋没されていたが、実は8ハウスや9ハウスであった場合、ハウスの意味で考えると、全く違うものになってしまう可能性もあります。

また、インターセプトが多いホロスコープは、カスプを持たない星座が出てくるということになります。そうなると、例えば獅子座の支配星である太陽が位置する場所で、仕事運や人間関係を見る場合は、ハウスで見ると違う解釈になることがあります。ホールサインハウスなどで、星座一つに対し、ハウスを一つ与える方式にするのとでは違いが出るということになります。

また、別のハウスシステムによっては、このインターセプトが起こりにくくなります。しかし結局は、様々な占星術家が言っているように、どのハウスシステムも有効的な部分があり、それぞれのハウスシステムで見た時の共通点を紡ぎながら、総合的な解読していくことが最も良いようです。

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ホロスコープで晩年運を4ハウスと土星から見る

ホロスコープで晩年運を見る時、4ハウスと土星、両方の状態を確認します。4ハウスは物事と終わりの状況を示し、土星は、天体の中で最も老いている天体ですので、どちらも晩年に関係します。天体にも年齢があり、土星の年齢域は、およそ50代後半から、だいたい70代前半くらいまでを示し、それ以降の年齢は、土星以遠の天王星の年齢域となっていきます。

人生のサイクルを例に出すと、人は生まれ、繁栄し、衰退し、そして死に向かいます。古典占星術の面から見ると、4ハウスは父、10ハウスは母を示します。これらのアンギュラーハウスの中心にあるICは、影響の強い場所であると同時に、星が最も沈む位置でもあり、魂が帰る場所として重要となります。見る時は、4ハウスの支配星、支配星の入るハウスや星座、アスペクトや品位も見ていきます。

世界の誕生チャート(ムンディ)での土星は、この太陽と月の正反対に位置しています。つまり土星は誕生から反対の場所あり、没入を示しているようにも思います。古典占星術では、土星は境界を示します。我々の魂は、土星を介して吹き込まれ、そして、最後も土星を介して魂が抜かれるとされます。これは、カルディアン・オーダーだと、1ハウス(誕生のハウス)と8ハウス(死のハウス)は土星と関連しています。つまり魂は誕生のハウスを通り、死のハウスに通じるの意味になります。つまり、土星も重要な参考天体となります。

また、古典占星術が流行していた時代の平均寿命は、いまよりずっと短かったようですので、年齢域に関して土星迄で十分だったのでしょう。ただ今では、平均寿命がずっと伸びた事により、天体で見るとすれば、天王星の年齢域にまで到達しています。長寿国家では、もしかすると、今後は天王星のあるハウスも見るべきなのかもしれません。

例えば、4ハウスに木星があり、9ハウスに土星のある人を見た時も、4ハウスと土星どちらも確認する事が重要です。4ハウスの木星が表す晩年は、大家族を持ち、近所の教育者として過ごす姿があります。もしかすると、死に際は安らであるかもしれません。一方で、土星でみる晩年について、9ハウスの晩年は、学問や研究に熱心であり、こちらも教育者、研究者としての晩年が予想されます。

また、算命学では晩年期は人体図の右足を見ますが、この方の晩年には「墓(天庫星)」があります。墓は、土星と意味が似ていて、土の属性であり、研究熱心な星でもあります。指導者としての適正も見られます。

また、四柱推命では「華蓋」という特殊星も同じく晩年期(時柱)にありますが、これは学問、芸術、宗教を示します。木星と似た意味を持ち、これも4ハウスにある木星の意味と似通っている感じがあります。4ハウスの支配星や、品位を見るのもそうですが、土星の品位とハウスと、両方合わせてみるとより詳細に見れます。

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