POF(ロッツ)と古典占星術

Pof(パートオブフォーチュン)は、天体や感受点と特定の計算式から導き出されるアラビックパーツと呼ばれるポイントで、その人の幸福を指し示す場所とされています。Pofは、アセンダントと太陽と月の計算式から導き出されます。昼夜のどっちに生まれたか、また、男女では計算方法が異なる場合があります。

Pofは、古典占星術ではロッツと呼ばれています。古代の占星術の技法のうちの一つです。古典占星術は、主にヘレニズム期からルネサンス初期に使用されていました。それが現代の占星術でも引き継がれ、重要な技法になっています。

Pofはその人が幸福を感じたり、特に物質的な成功がどこにあるのかを教えてくれます。モダン占星術では、例えば1ハウスにPofがある場合、その人は自分自身から幸福を得やすく、自分の価値観や意見、また1ハウスを意味する事柄から、幸福を掴みやすいと言えます。つまり、生まれながらの幸福者といった感じです。

ただ、古典占星術の場合は、それにプラスして、Pofが配置されているハウスのロードにも注目しています。例えば、1ハウスが牡羊座であるならば、支配星は火星となり、火星のあるハウスにも注目されます。そして、その火星はどの星座にあり、どんな状態にあるのか、そこまで見ることが多いです。

この場合も、ルーラーの火星がどのハウスにあり、どの品位にあるかなどもみます。古典占星術ではPofの事を、ロッツ(運)と言いますが、このロッツをはじめ、アラビックパーツには非常に多くの種類があります。

また、ロッツと同じハウスにある天体をルーラーと同じ影響があるように見る事もあります。例えばロッツが4ハウスに位置し、そこに水星もある場合、ロッツは4ハウスの影響を受けながら、水星の影響も受けます。

くわえて、水星の品位や4ハウスの支配星の影響にも注目します。4ハウスはICと緊密であり、ICはアングルです。古典占星術では、アングル付近にある天体はとても強い影響を持ちます。続きますが、例えばここで、4ハウスが双子座だった場合、双子座にはルーラーシップを得た水星があるという事になり、ロッツに良い影響を与えやすくなります。

ロッツ自体は、ディグニティーをもてません。ただ、同じハウスにある天体のディグニティーの影響を受けることがあります。また、古典占星術では、そこに位置する天体が、ハウス全体に影響すると考えています。

モダン占星術では、同じハウスに天体が複数あっても、アスペクトをとっていない場合は、連帯は少ないと考えますが、古典占星術ではそれが互いに影響を与え合っていると考えるのです。私はどちらの解釈も重要だと考えます。

モダン占星術では、アスペクトについても厳密であります。現代の占星術は、反対のハウス同士にある天体が、それぞれハウスの端と端にある場合は、つまりオーブでのアスペクトとしてに180度にならない場合、アスペクト的にオポジションになりません。

特に、プラシーダスの場合は、ハウスの大きさが均等になりにくいためでもありますが、古典占星術では、例えば1ハウスと7ハウスにある天体が、オーブで180度の関係になくても、正反対のハウス同士にあれば、ホールサインでのアスペクトとして、オポジションとみます。

また、影響についても、アスペクトのタイプよりも、品位やセクトの方を重視します。例えばスクエアをとっている天体があったとしても、全体的な品位によっては、凶作用とは言い切れなくなります。

Pofそのものは、非常に良いポイントです。そして、ハウスや星座についても、ハウス方式によってどこに位置するかも違ってきます。また、Pofを見る際も、アスペクトだけではなく、影響する天体も品位やルーラーのハウスなど、今後も注意して見ていきたいと思います。

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ハーフサムを見る時

ハーフサムを使う時は、私は主に未来予測に対して使用します。運気の流れはプロフェクションやプログレスでもとてもよく出ていますが、ハーフサムと合わせて使うと、より精密に占う事ができます。

ハーフサムは、天体と天体との間にできるパワースポットのような場所であり、ミッドポイントとも言います。このスポットに天体が位置すると、その星はハーフサムを形成する天体の影響を受けるというものです。

ハーフサムは、出生図でも見る事はできますし、未来予測でも有効です。ただ、ハーフサムは無数にあり、接触する天体も多いため、全て解読して意味を統括するのは難しいと個人的に思います。ハーフサムに出ている内容を全てを見ていくと、包括的すぎて、逆に抽象的になってしまう気がします。

ただ、ネイタルでの配置やプログレスの影響、品位まで総括すると、膨大な量になってしまいハーフサムの影響も見るとなると、とても分かりにくいですし、結果も複数になりやすい。

ここで、私は太陽を重要視します。アセンダントやMCも同様に重視します。主にこの3つから読んでいます。太陽で見る事は、ほとんどその年のメインテーマに重なる感じがしています。ハーフサムで重要な事象を太陽から予測する事はとても有効です。

例えば、太陽と冥王星のハーフサムは、著名な方によって飛躍軸と命名されていますが、この軸に太陽が接触する時、太陽と冥王星の意味が強調されます。ただ、ハーフサムと同じ天体が接触すると、影響が偏ったり若干弱まったりします。太陽と冥王星が位置する星座やハウスにも着目し、トランジットの太陽のハウスと星座も見ます。

四柱推命で出ている運気とモダン占星術で見た時の運気で似通っている部分は、プログレスやハーフサムでも強調されていることが多いです。特にハーフサムに太陽が接する時の影響が分かりやすいです。

また、四柱推命で出た運気は、1年を通しての運気の中でも、月毎に区切った運気も出てきます。この月々によってもその時に体験する運気に差異があります。その時はトランジットを見ると同じような影響が出ている事があります。

しかし、同じハーフサムに太陽以外の天体も接触している場合、その天体も重要視しています。例えば、太陽と冥王星のハーフサムに、太陽だけではなく金星も接触している場合は、金星の影響も出ると考えます。

私はプログレス法を使う場合は、ダイレクション黄経(1度1年法)を使用していますが、セカンダリープログレッション(1日1年法)での予測では、速度の早いパーソナルプラネットに重点が置かれます。しかし、プログレス法は他にもあり、その要素も取り入れる場合は、さらに複雑になります。

私が思う事は、プログレスでもハーフサムでも、見た時に関係している天体が重要になるという事です。水星がメジャーなアスペクトを形成しているプログレスの場合は、水星が影響力を持ったり、重要な事象を示すように思います。

そしてコンジャクションしている天体は、プログレスでもハーフサムでも影響している事が多いです。ですので、太陽に加えて、プログレスやトランシットでコンジャクションのある天体、そしてこのどちらかに強いアスペクトを形成している天体を見るようにしています。

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水星の逆行

水星は情報や伝達、コミュニケーションや知性、交通、小旅行などを表す天体です。水星は地球に近いため、好転速度の比較的速い天体です。

この水星は1年の間に何度か逆行します。逆行というのは、その期間は、実際の天体の動きよりも、動きが遅く見えることにより、他の天体に抜かされるように見え、天体が反対側に向かっていくように感じる事から、そう言われています。

地球や天体の距離により、そのように見えるという現象です。天体は地球から離れていますが、この距離は一定ではなく、それぞれ天体が進行している軌道は楕円を描いています。綺麗な円を描いていないので、地球より最も離れた位置では、動きが遅く見えます。

この天体が逆行する時期というのは、天体の逆行日数や、その人の水星の状態にもよりますが、大なり小なり影響が出ていると感じます。

そして、この水星の逆行期間と影響はおよそ三週間ほどあります。この水星の逆行期間は、遅延やイレギュラーを意味し、コミュニケーションの錯誤、交通不便、やる気の低下などが起こりやすくなることがあります。

今年は台風が水星の逆行時期と重なり、交通機関の欠航、宿泊のキャンセル、大雨などによるインターネットの遅延、それに伴った資格試験などの日程が、時間通りに行われないなどの影響が出ていたようです。

現在は特に問題ないようですが、海外に在住している方の映像では、国際情勢に伴い、規制がかかったのか、スムーズな視聴ができない、動画がアップできなくなるかも、との内容をおっしゃっていました。これらは水星の逆行が始まったタイミングでもありました。

また、同じタイミングで他の人は、旅行先で車を擦ってしまったり、出勤途中に故障などの影響が出た人も。逆行が始まった8月5日以降は、世界の金融相場も値動きの乱高、日経平均株価は、瞬発的な下落と上昇。

個人として、契約しているサーバーが攻撃に遭い、執筆中は何度も更新エラーが発生していた上に、アクセス解析なども同じようにイレギュラーが発生。他は、6年前に東京の会社で働いた時以来、連絡をとっていなかった元同僚から連絡があったりなど、水星逆行でよく見られる影響を感じました。

去年の水星逆行中は、海外に行きましたが、空港や高速バスのWi-Fiもつながらず、持っていったsimカードも使用できずで、初日はホテルに到着するまで、インターネットが使用できないままでした。

ただ、これに関しては、水星逆行の影響だけではなく、出生図でトランスサタニアンが入っているハウスや、経過図でのアスペクトなどを見るのも重要です。天王星のハウス、9ハウスの守護星の影響も考慮します。木星も同じく。また、アストロマップや滞在地域との相性も重要です。

特に、天王星は突発的なアクシデント等も表します。逆行は、出生図の水星の位置に近ければ近いほど影響も出やすいような感じもしています。

ただ、影響を感じにくい人もいるかもしれません。もともと水星が逆行している時に生まれた人だと、人によっては感じ方も違ったりするようです。

水星はパーソナルプラネットであり、この逆行は他の天体に比べて影響を受けやすいとも言えますが、出生図のどこにあるか、位置する星座は何か、また他の天体とのアスペクトは何か、他の逆行天体、進行図や経過図など、全体を考慮したいと思います。

特に進行図で水星が出生図の天体とコンジャクションやスクエア、オポジションをとっている場合や、太陽と月とのアスペクトがある場合は、逆行の影響も受けやすいでしょう。この時期はアイデアも出にくいかもしれません。

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